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核家族の増加や地域社会の喪失などによって子どもたちを取り巻く言葉環境が大きく変化しています。かつては様々な人々とのふれあいの中で、自然に育まれていった会話力やコミュニケーション能力も、今では家庭の中で意識的に働きかけてあげなければ育ちにくい時代です。 国語教育アドバイザーの森田真弓さんに「幼児と言葉」について3回にわたってお話を聞きました。
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幼児教育の世界に入る前は、企業で人材教育の仕事をされていた森田さん。バリバリのキャリアウーマンから幼児教室の先生に転身された背景には、言葉と時代の関係が浮き彫りになるようなエピソードがありました。 「モスバーガーで15年ほど新人の研修を担当していたのですが、年々若者の言葉が変わっていくのを見て、これはまずいぞ、と。単語と単語をつなげるだけの会話だったり、敬語が使えなかったり。耳を疑うような場面が増えていき、新人研修にものすごく時間がかかるようになりました。 接客に必要な研修を行うのですが、何度練習を重ねてもお客様の状況に合わせた言葉が使えない。テレビなどの影響もあるのでしょうが、言葉が乱れているうえに、環境的にもおじいちゃんやおばあちゃんなど目上の人との接触が少なく、知識としての敬語は知っていても、実際に聞いたことや使ったことがないので、実践として上手に使いこなすことができないのです。 そんな経験を通じて、言葉って知識として覚えるものではなく日常生活の中で実際に使いこなし、習慣化していくことが大事だと実感しました」 |
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森田さんは幼児教育の中でも、脳の80%が完成するといわれている0歳から3歳までの時期をとても大切に考えています。 「寝ているだけでまだ言葉を発することができない赤ちゃんは、大人が話している言葉をわからないと思っている方がいらっしゃるかもしれませんが、そんなことはありません。赤ちゃんは、ご両親や周りの大人の語りかけをはじめ、生活の中で聞こえるすべての音を吸収しているのです。 少しずつ言葉が出てくるようになる一歳半ぐらいになるとよくわかるのですが、大人の言葉のシャワーを浴びている度合いによって、語彙数や表現力に違いが出てくるのがわかります。 お母さんが歌ってくれた子守唄も授乳時や沐浴時の語りかけもすべて、赤ちゃんの中にインプットされているのですよ。ですから赤ちゃんには、ポジティブな言葉、脳がうれしくなるような言葉をたくさんかけてあげたいですね」 |
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脳の発達が著しい3歳までは、絵本の読み聞かせやお散歩など、五感を刺激するような体験をたくさんさせてあげるのがよいそうですが、言葉についてはどんな働きかけをしたらよいのでしょうか。 「絵本を読んであげた時に緑の葉っぱが出てきて、“葉っぱ”という言葉を覚えたら、実際にお散歩に出かけて行き、絵本の中に出てきたものと同じ緑の葉っぱを見せてあげる。この時期は、子どもが覚えた言葉を体験としてつなげてあげることがとても大切なんです。 |
言葉って体験と一致してはじめて、生きた言葉として子どもの中に定着していくので、子どもが言葉を覚えはじめたら、覚えた言葉や知っている言葉をどんどん使わせてあげましょう。 あわただしい日常生活の中では少し難しいかもしれませんが、言葉のステップを丁寧に踏ませてあげることも、必要な体験だと思いますね。 例えばのどが渇いた時に子どもが“ちゃ、ちゃ”と言ったら、お母さんはお茶が飲みたいと思って、コップにお茶をついであげるでしょう。 でも、年齢が上がっていくにつれて、すぐにお茶をついでしまうのではなく、“お茶 ほしいの?”、と単語と単語を組み合わせたり、“お茶 が ほしい”のね、と単語と単語の間に助詞を入れてみたりして、少しずつ言葉のステップを踏ませてあげるのです。 大きくなったら自然に習得できるようになることかもしれませんが、親が意識の中に少しでもそんな感覚を持って接してあげていると、やはり言葉に対する感覚が違ってくるのではないでしょうか」 |

国語教育アドバイザー。こころと脳を育てる保育スクール「よつばのクローバー」主宰。 1968年生まれ。二松学舎大学卒業後、モスバーガーに入社。スーパーバイザーを経て、人材教育のスペシャリストとして数多くの新人研修を担当。退社後は保育室を運営する傍ら、保育事業の企画やプロデュース、幼児教室や市民講座などの講師としても活躍。日本ナニー協会理事長も務め、「Nanny」(ナニー)欧米における幼児教育のスペシャリストの養成や普及にも力を入れている。 |
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